このページでは、弊社の放射線防護服の研究について掲載しています。
「放射線の見える化」の研究開発については以下のリンク先をご覧ください。
放射線防護服の研究
放射線防護服(PAT’)
試料の設置
X線撮影(いわゆるレントゲン写真)
真ん中の部分を切り出しました。
X線の遮蔽率(=log(入射強度/透過後の強度))です。
赤くなるほど遮蔽しています。
前ページのグラフを3次元で表記
前ページのグラフを3次元で表記 その2
Futcut(フットカット)
<対象者>
・幼児・保育園児用
・小学生用
・要介護者用
・妊婦用
・大人用(婦人、シニア)
2011年3月11日東日本大震災で東京電力㈱福島第1号原子力発電所からの放射線の大気放出で近隣地区の住民、避難弱者に対して、放射線汚染防護対策が出来ていなかった。このことから避難弱者向け放射線防護服の必要性を実感致しました、そして「志」を同じくする開発者の協力を得て夢がかないました。 開発のコンセプトは、幼児、子供、妊婦、要介護者が防護服を着用して負担に感じない柔らかく、重すぎない、デザイン性に優れた優しい防護服であることを目指しました。遮蔽材はタングステン粉を樹脂と混合しシート状に仕上げ、さらに立体加工で遮蔽効果を向上させ、優れた柔軟性を持たせました。
(福島県、原子力発電所周辺での測定効果)
積層枚数 | 低減率 |
---|---|
1層 | 約13% |
2層 | 約26% |
3層 | 約40% |
注1,2,3 参照
※積層枚数が多くなると低減率は上がりますが重くなります。子供、要介護者が楽に着ていられるように配慮しています。
比較項目 | 従来の防護服 | Futcut |
---|---|---|
重 量 | 20kg以上 | 半分程度 |
柔軟性 | 硬 い | 柔らかい |
デザイン性 | 普 通 | 優れている |
脱着性 | 困 難 | 容 易 |
低減効果 | 高 い | 高 い |
注4 参照
※公益財団法人若狭湾エネルギー研究センターのH27年度 嶺南地域新産業創出モデル事業補助金事業で開発しました。
(開発グループ) 代表者 ㈱ニュークリアテクノロジー、福井工業大学、佳インタ-ナショナル㈱
(アドバイザー) ㈱超越化研、国)産業技術総合研究所
(デザイン協力) 帝人フロンテイア㈱、RUNX CO.,LED
注:
- 低減率は実地での低減効果であり低減率を保証するものではありません。
低減率40%は3層品でシートを立体加工した放射線防護服のデータです。(1,2層の低減率は推定したものです。) - 低減率は10μSV/h近辺で積算線量の評価です。(測定器PM1610)
- 各種放射線の低減率を表示したものではありません。
- 従来の作業従事者防護服とは特定のメーカーの製品を対象としたものではありません。
数字、判定は弊社の独自判断にるものです。
※本文の内容は断りなく変更することが有ります。
※本文の内容の無断転載を禁じます。
一般住民用放射線防護服の性能評価
シート(Futcut)
タングステン粉+樹脂+基布ポリエステル
0.4mm×1500W×18m
基布構造図(Futcut)
安全性が高い(放射線遮へい金属タングステン粉+樹脂)
イメージ図
基布立体加工例(Futcut)
一般服のようなデザイン性(Futcut)
おしゃれで防護服の抵抗感がない
- 幼児用:1~2.3kg
- 小学生用:2~3kg
- シニア用:2.6~4.9kg
- 作業用防護服の1/3~1/2の重さ
- 軽量、柔らかい、着やすい
- 表面生地の内側に縫製されている(1層または2層)
Futcutの性能-1・スモッキング&プリーツ
Co60 29TBq 「散乱線遮蔽率」 1mGy照射 20分照射 線源から7m 中心線90°から2.8m
エネルギー量:500keV以下
線量計:富士電機製 NRY6
枚数 | 遮蔽率(%) |
---|---|
1 | 9 |
2 | 18 |
3 | 25 |
4 | 30 |
測定場所)
国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
量子ビーム科学研究部門
高崎量子応用研究所
Futcutの性能-2・NaIシンチレーションスペクトルメータ
Co60 29TBq 「散乱線遮蔽率」 1.3mGy 照射時間 1秒+線源上下時間
測定機器:アロカ JSM112
測定位置:線源中心線7mから90°さらに2.8m地点 床置き
BG(count) | 照射後(count) | スモッキング4枚遮蔽 | 遮蔽率(%) |
---|---|---|---|
3767 | 100655 | 42004 | 60.5 |
測定場所)
国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
量子ビーム科学研究部門
高崎量子応用研究所
注)線源が強力であるため、パイルアップが発生し正確に測定ができなかった。測定時間の差が生じるため測定条件の同一性は低い。線源の下がりきる直前の測定結果である。(測定:30秒間毎)
Futcutの性能-3・散乱線測定位置概略図
Futcutの性能-4・スモッキング&プリーツ
Co60 29TBq 「直接線遮蔽率」 10mGy照射 152秒照射 線源から7m
線量計:富士電機製 NRY6
枚数 | 遮蔽率(%) |
---|---|
1 | 2 |
2 | 1 |
3 | 4 |
4 | 5 |
測定場所)
国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
量子ビーム科学研究部門
高崎量子応用研究所
Futcutの性能-5・直接線&散乱線(コンプトン効果)
Futcutの性能-6・コンプトン散乱線(環境放射線)
(上)森林を眺望 (中)広葉樹の樹冠 (下)針葉樹の樹冠
図7 福島浪江町のフィールド試験で得られた、ガンマ線スペクトルの一例
662keVは137Cs、605keVと796keVは134Csによるもので、今回は137Cs(赤色)のみですべての画像を抽出した。
出典:ガンマ線撮像用コンプトンカメラの高性能化に成功~除染のさらなる効率化、環境調査、医療、理学応用へ期待~
作業従事者向け放射線防護服
- 正面
- 総重量:8.1kg
- 着物式前かさね型(4層)
- インナーの取り付け可能
- 腰巻型
- 背面
X線照射による防護服の遮蔽効果の検証
図1 使用した照射装置
使用した照射装置:日立社製
X線照射装置:MBR-1520R-4
照射装置の線量計の上に直接防護服を被せたとき、防護服の重さにより線量計の破損をため、照射するときに図2 a)のように線量計プローブを覆うように紙製の箱を置いて台として使用した。図2 b)のように箱の上に防護服を置いて照射を行った。
図2 照射時の様子
スモッキング2層製品評価
使用装置 | 日立社製 X線照射装置 MBR-1520R-4 |
方法 | ・装置内電位計(HSY-1001)によるカーマ率と電位差から算出された線量率表示の変化を記録 ・線量計プローブを紙製の箱で覆い、防護服有りの照射時は箱の上に防護服を設置 ・フィルターを除いた照射では、線量計プローブの保護キャップを外して照射 |
フィルター | 0.5mm Al + 0.1mm Cu | 遮蔽状況 | 線量率表示(Gy/min) | 遮蔽率(%) |
---|---|---|---|---|
管電圧 | 150kV | 防護服無し(箱無し) | 1.99 | 77 |
管電流 | 20mA | 防護服有り | 0.45 | |
焦点距離 | 400mm | |||
照射線量 | 2Gy |
フィルター | 0.5mm Al + 0.3mm Cu | 遮蔽状況 | 線量率表示(Gy/min) | 遮蔽率(%) |
---|---|---|---|---|
管電圧 | 150kV | 防護服無し(箱無し) | 1.18 | 64 |
管電流 | 20mA | 防護服有り | 0.42 | |
焦点距離 | 400mm | |||
照射線量 | 2Gy |
フィルター | 無し/プローブキャップ無し | 遮蔽状況 | 線量率表示(Gy/min) | 遮蔽率(%) |
---|---|---|---|---|
管電圧 | 150kV | 防護服無し | 16.9 | 97 |
管電流 | 20mA | 防護服有り | 0.65 | |
焦点距離 | 400mm | 箱無し | 23.86 | |
照射線量 | 50Gy |
フィルター | 無し/プローブキャップ無し | 遮蔽状況 | 線量率表示(Gy/min) | 遮蔽率(%) |
---|---|---|---|---|
管電圧 | 50kV | 防護服無し | 7.58 | 100 |
管電流 | 20mA | 防護服有り | 0.01 | |
焦点距離 | 400mm | 箱無し | 11.62 | |
照射線量 | 30Gy |
フィルター | 無し/プローブキャップ無し | 遮蔽状況 | 線量率表示(Gy/min) | 遮蔽率(%) |
---|---|---|---|---|
管電圧 | 80kV | 防護服無し | 12.05 | 100 |
管電流 | 20mA | 防護服有り | 0.08 | |
焦点距離 | 400mm | 箱無し | 17.84 | |
照射線量 | 30Gy |